走馬灯

届くわけもないと 口をつぐんだまま

噛み殺した痛みを かかえて眠ろう

巡る走馬灯には 映らない姿が

今も胸を焦がし燻りつづける

 

かつて煌めきを纏っていた

感情はとうに鳴りを潜め

掻き分けても 跡形なく

虚しい心がわめき散らす

 

ゆくあてもないまま たどり着いてしまう

ためらいを混ぜたら滲んで

夜明けがさらってゆく

 

不確かな「またいつか」と

確実な今日を秤にかけ

見上げた空にはにわか雨が

わずらいも全て飲み込んでく

 

さよならの数だけ 楽になってゆく

気付かされていた いつもそばで

手招きする影に

許されることなく 恋焦がれていた

それさえも泡のように消える

月明かりの下で

儚くも咲いて

夢のあとさき

「夢のあとさき」


このままあと少しだけ 此処に居させて

明けない夜を願うみたいに

夢見てたこと叶わなくても

構わないと今はそう思う


生まれてきたその意味を僕は知らない

それでもここにあるすべてが

象っている いつか描いた姿と違っても


誰のためでもない人生を生きてる

誰かの声に身を預けたまま

このままどこへ向かえば良いと

言いかけて辞めた空見上げて


交差する花びらを見送る季節になったら

見つけられるような気がしていた

零れ落ちてやがて消える

それでも手を伸ばしてしまうな


今日の日があることで救われるような明日に

溶けてゆきたい そう願う僕は

今この場所今この時

たしかに生きてるありがとう


正しさが眩しくて目がくらんで

立ちつくしてしまうとしても

振り返ること躊躇わないで

手招く君の影


あともうどれくらい残された時間

あるのかは誰にもわからないけど

このままどこへ辿り着いても

君とならばそれでよかった


交差する花びらを見送る季節になったら

また会えるような気がしていた

想い巡り滲んでゆく

思わず目を逸らしてしまうな


今日の日があることで救われるような明日に

溶けてゆきたい そう願う僕は

「またいつか」と淡い空を

いつまでも見送った


今この場所今この時

たしかに生きてるありがとう

2020年歳末の砂場について

また半年も経ってのブログ更新。でもこれくらいのペースが性に合ってるような気もしていたり。

 

12月28日の大阪寺田町FIRELOOPでの配信ライブを終え、ようやく昨日博多の自宅に帰ってきて静かな2020年最後の日を迎えています。

元々前日に予定だった名古屋と翌日夜の大阪をキャンセルして、急遽配信のみに変更。この一連の大騒ぎに力を貸してくれたり、見守ってくれた方々、本当にありがとうございました。配信という形ではあったものの久しぶりにバンドで(ソロでもだけど)歌えて、聴いてもらえて、それはやっぱり嬉しかった。

音楽を届けられるまでの道のりって、結構な距離がある。

まず自分本人、そこから一緒に演奏してくれるメンバー、そこから演奏させてくれるライブハウス、それぞれに物理的・精神的な距離があって、それを繋げてようやく聴きたいと思ってくれる人たちまでたどり着く。それぞれが次へ送る回路のように連鎖していて、どこが欠けても届かない。いまはこんな世相だから配信だと各家庭の機材も経由するし。だから僕がそこまで届けたいと思えるエネルギーをしっかりと絶やさず結んでくれた人達にはただ感謝しかありません。

ただ反面もっとやれるべきだったという気持ちもぬぐえない日でした。もちろん何もかもが駄目だったわけではないけれど、、半年ブランクでワンマン尺のライブを迎えるにはやっぱり足りてなかったと思う。ライブを進めながらライブハウスの音場を思い出していくようなところにまず負荷がかかるのに、機材も運悪く本番でいくつも不具合が発生してしまうし、途端に並列思考ができなくなる自分のキャパシティの小ささを改めて思い知った。自分なりに頑張ったつもりだったからその認識の甘さも。

正直なところライブを終えた今、ライブができた嬉しい気持ちを、悔しい気持ちがかなりの部分を上塗りしている油絵のような心模様で、年の瀬にこんな内容で終えるのもどうなんだと思いながら、これでは終われない怨念も原動力にして次を完璧に決めてやりたいと思っています。きっとまた間が空いてしまうから今回の課題はしっかりと対策して臨みたい。まずは動じないフィジカルの維持向上と、盤石な機材周りの再構築。

幸いにも来年やりたいことはたくさんある。ソロで滑り込み公開できた今年の歌をバンドでできるようにすること。2021年の曲を作ること。何が何でも次はお客さんの目の前で演奏できる日にすること。今年行きたかった場所へのツアー。一緒にまたライブやりたい人との対バン。幸せな打ち上げ。

こんな世の中なので何一つ決められないままだけど、きっと来年は。

 

音楽という入り口のおかげで出会えた人達が今も待っていてくれること、僕にとっては生きてて良かったかもって思える大事なこと。

また笑って会えたらうれしいです。

どうか穏やかに、そしてできるだけたくさん楽しいことがありますように。

 

 

追伸

今回の配信でのチケット購入、追加の投げ銭や物販購入、本当にありがとうございました。福岡大阪の遠距離行軍で正直経費が今までとは比べ物にならない中、配信変更とかいろんなアクシデントも重なってどうなることかと思っていましたが、食費を除けば大体カバーをすることができました。

物販購入の方への発送は、この三が日でやりますのでもう少々お待ちくださいませ!

2020年下半期の砂場について

前回から半年も経ってしまっててすみません。

突然ですが、6月から福岡での生活を送ることになりました。

世の中、いつのまにかとんでもないことになってしまっている中でのさらなる逆境、正直まだ受け止め切れていないですが、もうあと1週間後の引っ越しとともに迫る現実に怯えている現状です。

砂場は、関西メンバーくぼくんと松川さんのヘルプで立ち上がった砂場(ウエスト)のおかげで勢いづいていて、この確かな手ごたえを拠り所に、今年はようやく東京メンバーでの活動も再始動ができればと思っていた矢先でした。

ただでさえコロナの所為でライブ自体が自粛の流れで、これがいつ明けるかわからない状態。もう本当に人生なにかの仕打ちかと思うくらいなのですが、今は苦しみながらでも飛び込んで、出来得る活動の活路を探っていこうと思っている次第です。

ここからの砂場としての活動はやっぱりまた大きな足枷を括りつけてのものになってしまいます。関西ももちろんだけれど、特にまた関東が重たくなってしまった。

そうまでして続ける意味って何だろうってあらためて考える。だけど、最後のところで断ち切ってしまわずにいられるのはやっぱり唯一、この歌をもう一度聴きたいと思ってくれている人たちの声。考えうる限り自分が生きた理由がそこにあるから、でした。

とにかく今は少しでも早くライブハウスを取り巻く状況が良くなって、僕らが大手を振って観に来てもらえるようになることを祈るばかり。そしたら立ち上がれるチャンスもきっとくる。生きてさえいれば。

だからひとまずはその時までに自分を奮い立たせる新しい曲を書きたい。2020年の歌。

だからその時が来たらきっとまた。いろいろと器用にできなくて申し訳ないけれど、続けていくから、待っててもらえたら嬉しいです。

 

せめての一区切りとして砂場(ウエスト)、ライブします。下記の2本。どちらも配信ライブという形で開催になります。会場で直接ライブを届けられないことはとても残念だけれど、全世界どこにいても音楽を届けられることは、このタイミングだからこそでもあるのかなと思っています。

参加は無料でもできるけれど、応援の意味も込めて良かったらチケット購入も是非。

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□5/24(日) 「いつまでも世界は...」
開演12:00/出演17:30
出演/砂場(ウエスト)、他多数
sekaiwa.info/event/
※24会場同時進行配信
我々、砂場ウエストの出演チャンネルはこちら!↓↓
http://www.sekaiwa.info/event/detail.html?id=658

□6/7(日) 大阪 天王寺fireloop
出演/砂場(ウエスト)、楽しんでいこうや西岡と狂ったチワワズ、カーテンコール、浮かむ瀬
開演18:00/出演20:15
チケット2000円
〈配信ページ〉
https://twitcasting.tv/fireloop_info/shopcart/6898
ドラムサポートの松川さんが参加しているバンド4組によるライブイベントをツイキャスプレミアで配信します。
映像はチケットを購入頂いての参加となりますが、音声だけならLINE LIVEでも無料参加が可能です。
(映像演出はGhostpartyというクルーに依頼していて高クオリティ配信を試みています)
※こちらは開催日以降でも6/21まではチケット購入してライブ映像が観れます!これからの僕らの活動支援の意味も込めて、購入ページで砂場の名前を添えてもらえたら嬉しいです。

2019年下半期の砂場について

安心して、というのは人によってはむつかしいのかもしれないけれど、僕個人、悲しいお知らせのつもりでは全くないです。あくまでこれからの砂場への期待を多分に含んでこの記事を書いています。

「砂場が大阪でライブをすることになりました。場所は心斎橋BLONZE、日程は11月16日(土)です。この日は砂場の関西編、「砂場(ウエスト)」と仮称して、ベースとドラムをサポートに迎えてやります。でもこれは、東京のメンバーと、またライブをするための選択だと考えています。」

要点はこれでほとんど。だけどこれだと色々と抜け落ちてしまうことがあると思うので、ここから先は僕らを応援してくれる人のための補足として書きます。

2019年の砂場は、大阪に住んでいる僕と東京に住んでいる畠山君をオリジナルメンバーとして、ベーシストをサポートに迎えて活動している現状です。

長く一緒にやっていた浮田君が辞めてしまって、それを助けてくれたのがスリマのショーちゃん。だけど今年の一月にスリマが忙しくなることをうけてサポートを一旦終了に。ここでまたバンドの形を保つのがなかなか難しくなって、でも、なんとか続けたくて頼ったのがずっと前に里帰りのゆりちゃん繋がりで仲良くなったソラミズツキヒのシンちゃん。彼には3月に東京で一本やってもらっただけになってしまっているけれど、また手伝ってもらってこの三人でライブがしたいという気持ちは無くしていません。

だけど、このメンバー変遷を経るうちに、いつのまにか東京でライブをすることを、いままでのようにフットワークを軽く考えることができなくなっていました。

大阪に住んでいるから、東京に行くときは必然的に遠征。移動手段はなるべく節約して高速バス。スケジュール都合でむつかしいときは最終奥義の新幹線。ライブの時もそうだけど、これはリハでスタジオに入る時も。当然、お金と時間、気力と体力も相応のものが必要になります。

だから、それだけのものを注ぐ以上、次に出演するライブはそれに見合うものにしたい。誰かがしっかりと想いを込めてくれる日に出演したい。そういう想いが強くなって、それが自分の両足を縛ってゆくようになりました。

むしろ自分がその想いを注いで、一から作ってしまえば良いとも考えました。だけど、僕が一緒にやりたいと思うバンドは今の僕らと一緒にやってくれるだろうか、ライブハウスを巻き込んで、日程だけ迫ってしまって、もし願い叶わず間に合わせのようなイベントなんてやってしまったら。そんなことがあったらもう二度と立ち直れない。そう考え出したら、もう自分では動けなくなっていました。

いままであまりその辺を気にせずにいられたのは、たぶん僕が「世界の砂場から」サーキットを主催していたから。ある種これは砂場が動く動力源になっていて、最高が約束された日を自分で作って(作れて)いたから、これは砂場にとってこの日に向かって動けるという救いでもあった。そしてこうして身体のどこから沸くのかわからない謎のエネルギーを注いで動いていると、逆に出演オファーをもらうこともちらほらとあって、この日を目的地にして、経由地のように定期的なライブ活動ができていました。

面白そうなことをやっていると人は集まってくる。逆もまたしかりで、危ういバランスとはいえ、奇跡的に循環していたのだとおもいます。

だけど今年は、サポートを擁して遠距離編成のバンドを続けながらこの日を作りあげる気力体力、そして覚悟が持てませんでした。

実はぎりぎりまで悩みました。だけど駄目だと思ってしまった。何がそんなつらいんだって思う人いるかもしれないですが、要するに出演交渉のブッキングです。もちろん誠実な対応をしてくれる人もたくさんいてくれて、絶対出るよって応援してくれる友達もいます。だけど反面、音楽を踏みにじられるような気持ちで埋め尽くされるようなことも少なくはなくて。自分の音楽を良いと思う自分の気持ちを自分ですり減らしてしまって、大好きだったはずの音楽を好きだと思えなくなってしまって、そこまでして続ける選択ができませんでした。

こうしてサーキットという動力源を失った砂場は、無風の水たまりに浮かぶ船みたいに、動けなくなりました。

僕個人は、バンドが動けなくても音楽は続けようとたくさんソロの予定を入れて歌いに行きました。GWと夏休み、半ば狂ったようなライブスケジュール、大変だったけれど、なんというかこれがシンプルに楽しかった。打てば響く、歌えば届く、この自然なループを繰り返していくうちに、失いかけていた気力を少しづつ取り戻していくことができました。

一人で歌いながら、バンドをやりたい気持ちもすこしづつ戻ってきました。

でもこのままだと、きっと砂場が次のライブを迎えることもないのだろうな、とも。砂場は、たまたま次が決まっていないだけでずっと活動中です。だけど、自分が風を起こさないとこの船は動かない。動いていないバンドはどこにも行けないまま。

とはいえ今の僕の力はまだこの距離の重さを振り払って一歩を踏み出すには足りません。ライブ決まってなくてもとりあえず音出してみようかってだけでサポートメンバーにまでスケジュール調整してもらって東京に行くのは正直辛い。

今回、大阪でサポートを募って、関西編としての砂場を動かしてみようと考えたのはそういう背景からです。僕が住んでいるこの街で、同じく僕の歌を好きだと思ってくれる人にならば、もう少し気軽にバンドで合わせてみようかって委ねられる気がしたから。

そしてこうやってバンドが動けば、きっとここから風が起こって、また東京にまで届くはず。そうしたら名古屋にも長野にもいろんな街にも届く。待っててくれている、顔が浮かぶ人たちにまたきっと会える。そう思って畠山君にも相談しました。彼も今の僕と砂場の現状をわかっていて、僕のこの意思を尊重してくれました。

 

関西編の砂場を立ち上げるにあたって重視したのは、僕の音楽を好きだと言ってくれている人であること、尚且つスケジュールを合わせてくれそうな人。そうはいなかったんだけれどたまたまタイミングが合って、二つ返事をくれる人たちに巡り合えました。

 

ベースはthe seadays というバンドをやっているくぼくん。元々の出会いは京都のnanoで彼が昔にやっていたバンドとの共演。その時からいろんなところで遭遇していて、今年は福岡でも共演してたり、なにかと縁のある人だったのだけれど、精力的に活動していたバンドから抜けていたのを知っていたのでこのタイミングならば、、とオファーしてそして二つ返事をくれました。

ドラムは元Moccobondというバンドをやっていた松川さん。実はサポートメンバー構想は前からうっすらとあって、去年ファイヤーループに出演した時、ソウルフードの安井君に紹介してもらったのが、たまたまその日に働いていた彼女。機会があればととりあえず連絡先交換だけしたもののそのまま放置、という不義理をしていましたが、今回ようやく踏ん切りがついて思い出してオファーしてみたらこちらも二つ返事を頂けました。。

二人ともお酒へのモチベーションが高くて、スタジオ終わりの飲酒へと向かう向上心は光るものがあります。昨日はじめてスタジオに入ったんですが、二人とも手探りながらそれぞれ素敵なプレイヤーで、オリジナルの砂場とはまた違う形で見せられそう。11月に迎えるライブがとても楽しみです。

 

砂場(ウエスト)

[vocal & guitar ミヤザキナツキ / bass くぼようへい / drums 松川もも子]

で編成しています。砂場をカバーするバンドのような感じで漕ぎ出しつつ、自由にやれたらと思っています。

 

上手に伝えることは諦めて、綴れる限りで 綴りました。

長く活動しているといろいろなことがあるなと、思いますが、砂場の音楽を少しでも長く続けられるよう頑張っていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

砂場 ミヤザキナツキ



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