拾月は拾う月と書くけれど

決して物の使い方は丁寧なほうではないこともあって

もう随分と長く乗っているバイクはもうあちこちがボロボロで

あとどれくらい走れるのかもわからない。

けれど反面で、積み重ねた月日分だけ愛着も沸いてきてしまっている。

実はついこの間、もうちょっと足せば一台買えてしまうくらいの値段で

ぼくのバイクを買いたいって人が現れたのだけれど、

いろいろ考えてみたものの結局手放すことが出来なかった。

 

考えてみれば、音楽も似たようなものだとおもう。

市場で測る価値なんてのは、たぶん無いに等しくて。

でも自分にとっては大切で、だからずっと手放せずにいる。

そしてこの音楽に共感してくれる人たちがいて、だからずっと続けられている。

 

そう、まだここで生きていて、ちゃんと鳴ってる。

だからどうにかして騒ぎ立てたかった。

やっぱり僕は、僕が歌う僕の歌を心底で聞いて欲しいのだとおもう。

こじ開けたいのだとおもう。普通の手段では辿り着けない心の底まで。

 

水面に石を投げると波紋が広がる。

眺めていると直に凪いでしまって何事も無かったように元通りになるから。

だから今度は今までで一番大きな石を、というか岩を投げ入れてみる。

いままで届かなかったところまで水波を広げてみる。

 

11月22日の日曜日に名古屋新栄で、サーキットフェスを主催します。

4箇所のライブハウスを借り切って、往来自由で一日巡れるライブイベント。

Circuit 世界の砂場から

 

この日に関わってくれるすべての人が幸せな日にしたいと思っています。

感情はプラスもマイナスも連鎖する。

だから僕はまずありったけの想いをこめて伝える努力をします。

そしたら出演してくれる皆はそれに応えてくれて、

この日観に来てくれるお客さんたちがその姿を観て

幸せになってくれる。と、そう信じている。

 

毎日は自分の無力さを実感することばかりを繰り返すけれど

ひとつひとつは小さくてもこの日に期待してくれる声が

少しずつ共鳴をはじめているように思っています。

まだ一人でも多くの人たちに、この日が素敵だって伝えたい。

出来たらこれが過去になる前がいい。

 

僕の力は相変わらずでとてつもなく小さい。

だからたくさんの人にたくさん助けてもらう。

でも、きっとこの日に応えることで

何倍にもして返せたらいいなと思っています。

 

何もかもがはじめてでどきどきとする。

もうじぶんがコントロールできないところにある不安や恐怖ももちろん。

だけど、絶対最高って信じる気持ちも大きく心臓を揺らしているから

あと一月半、全力で駆け抜けようって思っています。

たぶんまだいろいろ浮いたり沈んだりするんだと思うけれど

応援してくれたらとってもうれしいです。

そして、この日この場所で、一緒に幸せになってくれたら最高です。

 

どうぞよろしくお願いします。