拝啓バンドマン

10月14日の日曜日は名古屋でスリマのレコ発だった。
考えてみたら砂場は名古屋でライブするのが今年の1月にメンバー脱退して以来で、びびるくらいライブをやってなかった・・・。
スリマの期待に応えられたかはわからない。売れてるバンドの部類にはお世辞にも入れないし、少なくとも、この日をきっかけにスリマの音楽を広く伝える、、、なんてことはできないバンド。お客さんも砂場が発表されて、もっと売れてるバンドが発表されてほしかった・・・何?ボーカルと仲がいい?仲良いだけとかほんとマジ無理・・・とかあったかもしれないし、当日を迎えるまで心のうちは罪悪感でいっぱいだった。

だけど、誰に何と言われても僕は、友だちの大事な日に誘ってもらえてうれしかった。
来てくれたお客さんに砂場を良かったって言ってもらえて嬉しかった。


本当は来月の予定だったけど、急遽先出しで公開した新しい曲の歌詞を。安定してタイトルは未定。だけどこの歌の宛先に、スリマの風間くんのイメージがあったりするのは、もしかしたらわかる人もいるかも知れない。
だからこの日しかないなって思って歌いました。どこまでもどうでもいい私的な歌。だけど、それが誰かに届いて響くのだとしたら、そんな幸せなことってない。




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僕にとって音楽は救世主だった
教室の隅、四角い机は、最終防衛ライン
なにも見えない なにも言えない
そんな僕が 深呼吸しても許してくれた

小さなスピーカーに両耳をうずめて
目を閉じれば浮かんできたのはまだ見ぬ大ステージ
僕の拍手は心臓の鼓動
鳴り止まないから
明日が来ることも受け入れられた

生きることしか 選べなかった
死ぬなんて魔法 使えなかった
このまま大人にだけなってしまうこと
それだけが怖くて仕方なかった

いまここにいる 僕はきっと
逃げ続けただけの臆病者だ
抗うことも 進むこともなく
流れてくだけ

バンドを始めて 友達ができた
縛られてた世界の外にも世界があると知った
タバコの匂い 狭いスタジオ
そんな場所でも 何処にいるよりも心地よかった

生きることも 悪くはないな
死ぬなんて魔法 要らないよな
このまま大人になんてならずに生きていられたら
どんなにいいかと考えていた

いまここにいる 僕は結局
目を背けたままの薄情者だ
抗うことも 選ぶこともなく
流されるだけ


生きていくために必要なことが増えてくばかりで
天井が近くなるプール息をするので精一杯
知りたくもなかったことばかり
頭の中に詰め込んで この先一体どうすればいいの

いつのまにか音楽が嫌いになった
予定調和のニュース
救いのない重大発表
そんなものに僕はかつて 憧れたわけじゃない
名曲がただそこにあればよかった

君の歌がまだ僕の心 震わせてくれるから
声に出すよ言葉にするよ そのままの気持ちを
僕の歌はただ此処で鳴って 消えてゆくだけだとしても
確かめてよ いまここに在って 揺るがないもの